SIMフリーって何?SIMフリースマホのメリット、デメリットや使用する方法は?
更新日:2021/7/8


最近ではすっかり定着した「SIMフリー」という単語ですが、一体どういうものなのか詳しく知っているかと言われると、実は知らない――という方が意外と多いのではないでしょうか?
通常、「SIMフリー」という言葉が使われていたら、端末のことを指します。
SIMフリーの端末は、どの大手携帯電話会社のSIMカードでも使えるようになったというイメージが強いかもしれませんが、実は端末とSIMカードの関係は結構複雑です。
今回はそんなSIMフリーの概要やメリットとデメリット、そして使用する時に気をつけたいポイントをご紹介します。
SIMフリーとは?


SIMフリーとは、SIMロックがされていないスマートフォンを指します。
SIMフリーの端末は2種類あり、1つは「大手携帯電話会社が販売しSIMロックがかかっていたものを解除した端末」、もう1つは「最初からSIMフリーの状態で発売されている端末」です。
SIMロックとは、特定の携帯電話会社での利用に限定された状態のことを指します。
例えば、ドコモで購入した端末はドコモのSIMカードしか使えないようにSIMロックされているので、他社のSIMカードを挿しても使うことができません。
しかしSIMロックを解除し、端末をSIMフリー化してしまえば、好きな携帯電話会社のSIMカードを挿入して使用できます。


そもそも2015年以前の大手携帯電話会社が販売するスマートフォンは、基本的に購入した携帯電話会社のSIMカードしか使用できないようにSIMロックがされており、SIMロック解除ができないようになっていました。
そのため、同じスマートフォンでも、携帯電話会社を変えることが難しい時代だったと言えます。
白ロムと呼ばれるSIMカードが挿入されていない状態の中古スマートフォンも、携帯電話会社ごとに分別されていました。
しかし、ユーザビリティや消費者の選択の権利といった観点から総務省は、2015/5/1以降、特定の携帯電話会社で購入したスマートフォンでも他社携帯電話会社でも使えるようにSIMロックの解除を義務化しました。
新たに販売されるスマートフォンは一定期間後にSIMロックを解除できるようになっています。
もっとも、すべての端末がいきなりSIMロック解除できるわけではなく、技術的に困難な端末は除外されます。
また端末取得のためだけに契約する行為などを防ぐために、一定期間SIMロックの解除に応じないということも認められています。
これとは別に、最初からSIMロックがされていない状態で販売されている、SIMフリー端末が存在します。
大手携帯電話会社を通さず、家電量販店や通信販売で購入できる端末や、MVNO各社が販売している端末で、SIMロックがないため、どの回線のSIMでも最初から自由に使用することができます。
主に中国や台湾などのアジアメーカーを中心に世界の端末メーカーが、格安端末からハイエンドモデル端末までさまざまな種類の端末を発売していますが、端末によっては受信できない帯域の電波があるため、購入時に自分が使いたいSIMが使える端末かよく調べておく必要があります。
そもそもSIMカードって?
SIMカードは、契約情報や電話番号などが記録されたICカードのこと。
スマートフォンで電話やインターネット通信をするにはSIMカードが必須です。


ゲーム機で例えると、理解しやすいかもしれません。
プレイステーションやNintendo Switchなどの「ゲーム機本体」が「スマートフォン」で、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどの「ソフト」が「SIMカード」です。
ゲーム機本体(スマートフォン)が壊れても、ソフト(SIMカード)さえ壊れていなければ、セーブされたデータ(契約情報や電話番号など)は保存され続け、違うゲーム機本体で使い続けることができます。
また、ゲーム機本体(スマートフォン)だけあってもゲームをすることはできず、ソフト(SIMカード)に必要なデータが詰まっているので、ソフト(SIMカード)がないとゲームをすることができません。
ただ、SIMカードはゲーム機のようによく取り出すものではなく、大手携帯電話会社でスマートフォンを買い換える場合はSIMカードの移動などをすべてスタッフの方がやってくれるので、実物を見たことない方も多いかもしれません。
SIMカードの種類
SIMカードは、サイズや機能によっていくつかの種類に分けられます。
選んだ種類によっては「持っている端末でSIMカードが使えない」といった事態に陥る恐れもあるため、事前にSIMカードの種類について正しく理解しておきましょう。
サイズ
SIMカードには3種類のサイズがあり、大きい順に「標準SIM」「microSIM(マイクロSIM)」「nanoSIM(ナノSIM)」となります。また、3種類のいずれかのサイズに合わせて1枚のSIM台紙から切り離せる「マルチSIM」も存在します。
使用する端末によって対応しているサイズは異なり、対応していないサイズのSIMカードは使用できないため、契約の際は注意が必要です。
端末に対応しているSIMカードのサイズを知りたい場合は、各メーカーの製品情報ページなどを確認してみましょう。
タイプ
・データSIM
データSIMは、インターネット、メール、アプリなどのデータ通信のみを行うことができるSIMカードです。
利用可能な電話番号が付与されないため、基本的に音声通話ができません。ただし、LINEやSkypeなどのコミュニケーションアプリに備わっている通話サービスや、050 PlusなどのIP電話を活用すれば、通話ができるようになります。
また、データSIMに乗り換える際はMNP(ナンバーポータビリティ)ができない点も覚えておきましょう。
・音声通話SIM
音声通話SIMは、「090」や「080」などで始まる携帯電話番号が付与されるSIMカードです。
データ通信だけでなく音声通話やSMS(ショートメッセージサービス)が利用できます。
MNPを利用すれば今までの電話番号をそのまま使うこともできるため、「他社に乗り換えたいけど、電話番号はそのままにしたい」という場合は音声通話SIMを選ぶようにしましょう。
格安SIMも使える
SIMフリーのスマートフォンであれば、格安SIMのSIMカードを挿入して、大手携帯電話会社よりも安くスマートフォンを使うことができます。
格安SIMはドコモ、au、ソフトバンクの3社のいずれかから回線を借り、安くサービスを提供しているMVNO(格安SIMを提供している携帯電話会社)です。
基本的に格安SIMを使用する時はSIMフリーのスマートフォンである場合が多いです。
SIMフリーのメリット、デメリット


では、SIMフリーの具体的なメリットとデメリットはどこにあるのでしょうか。
SIMフリーのメリット
契約する携帯電話会社の幅が広がる
SIMフリーの大きなメリットとして挙げられるのが、携帯電話会社の選択肢が広がることです。ドコモ、au、ソフトバンクといった大手携帯電話会社だけでなく、格安SIMとも契約が可能になります。
携帯電話会社によって料金や提供されているサービスは異なるため、より自分や家族の使い方に合った契約を選びやすくなることは、SIMフリーのスマートフォンの大きなメリットと言えるでしょう。
「2台持ち」がしやすくなる
「仕事とプライベートで使うスマートフォンを分けたい」「スマートフォンのほかにタブレットも使いたい」という方も少なくないはず。しかし、スマートフォンを2台持つ際に気になるのが、毎月の支払いではないでしょうか。
最近では大手携帯電話会社が低価格路線の新サービスや料金プランを発表していますが、格安SIMなら毎月の使用料を1,000円以下に抑えられるプランもあります。
SIMフリーのスマートフォンであれば、大抵の格安SIMを契約できるため、メインは大手携帯電話会社、サブは格安SIM、といった組み合わせをすることで、料金を安く抑えながら「2台持ち」を実現しやすくなるでしょう。
海外でも使用しやすい
海外でもスマートフォンを使いたい場合、「海外用のモバイルWi-Fiルーターをレンタルする」「携帯電話会社の海外プランを利用する」など、何かと手間がかかってしまいます。
しかし、SIMフリーのスマートフォンであれば、海外で使用可能なSIMカードに入れ替えて、ちょっとした設定をするだけで海外でも通信可能。
海外用のSIMカードは現地でも購入可能なので、事前に準備ができなかった場合でも安心です。
※国によって、通信可能周波数が異なります。必ず使用する国の周波数と、スマートフォンが受信できる周波数が一致することを確認してください。
SIMフリーのデメリット
日本独自の機能に対応していないものがある
最近では対応している端末も増えてきましたが、古い端末の場合はおサイフケータイや防水・防塵、緊急地震速報などの機能が備わっていないことがあります。
そのため、「機能面にもこだわりたい」という場合は、購入前にスペックなどをしっかりと確認しておくことが重要です。
手厚いサポートを受けられないことも
大手携帯電話会社でスマートフォンを購入する場合、携帯電話会社のサポートを受けることができます。
しかし、SIMフリーのスマートフォンを購入した場合、修理などのサポートは端末のメーカーや購入した店舗に直接連絡しなければなりません。
メーカーによっては実店舗がなく、対面での相談をはじめとする手厚いサポートが受けられないケースもあるため注意が必要です。
SIMフリースマートフォンの選び方のポイント
値段
SIMフリースマートフォンは、メーカーやスペックなどのバリエーションが豊富で、価格帯も広くなっています。1万円台で購入可能なものから10万円以上するものまであるため、端末の値段である程度候補を絞り込んでおくのも一つの手です。
ストレージ容量
「たくさんのアプリや動画をダウンロードしたい」「写真をたくさん撮りたい」という場合は、ストレージ容量が大きい端末を選ぶようにしましょう。ストレージ容量が少ないと、何度もデータを消したりしなければならなくなることも考えられます。
反対に、動画やアプリのダウンロードをあまりしない場合などは、大容量のストレージは必要ありません。スマートフォンはストレージ容量が大きくなるほど値段も高くなる傾向にあるため、自分の使い方に合ったものを選ぶようにしましょう。
スペック
「カメラ」「防水・防塵」「おサイフケータイ」などスマートフォンにはさまざまな機能があり、端末ごとに「対応している機能」や「性能の高さ」などが変わります。
そのため、自分の使い方に合った機能が付いているのか、十分な性能を備えているのかという点に注目してSIMフリースマートフォンを選んでみましょう。
5Gへの対応
スマートフォンは、すでに5Gへの対応が始まっています。今はまだ5G対応のスマートフォンが主流になってはいませんが、今後のことを考えると「5Gへ対応しているか」という点に注目しておくのもポイントと言えるでしょう。
SIMフリーのスマホを手に入れるには


大手携帯電話会社で購入したスマートフォンのSIMロック解除をする
大手携帯電話会社で購入したスマートフォンは、ウェブや店舗で手続きをすることでSIMロック解除ができ、SIMフリー化することができます。
ただし、契約の解除から一定期間以内(100日以内など)でないとSIMロック解除ができないことがありますので、乗り換えを行う時は必ず確認してください。
なおSIMロックが解除されているかは下記の方法で確認できます。
異なる回線のSIMカードを持っている場合は、SIMカードを挿入して認識されるか確認する方法です。既に新しい回線を契約している場合はSIMカードを直接挿し込むのが一番早い確認方法です。
Androidの場合は、設定画面で確認ができます。
端末により項目名などが異なりますが、設定の「端末情報」の「SIMロック状態」をご確認ください。
ソフトバンクで購入した端末であれば、直接確認することができます。
ウェブサイトで問い合わせをするか、直接店舗で聞くことも可能です。
SIMフリースマートフォンを購入する
SIMフリーとして販売されているスマートフォンは、家電量販店やMVNO(格安SIM会社)のサイトで購入できます。
また、Amazonなどのネット通販、SIMフリー端末を発売しているメーカーサイトでも購入可能です。
現在はアジアメーカーを中心に多彩なSIMフリースマートフォンが発売されており、非常に高いスペックを持ったハイエンドモデルから、手頃な価格で使えるミドルレンジモデルまで、魅力的な端末がラインアップされています。
最近では、大手携帯電話会社で発売されているスマートフォンもSIMフリー版を発売するメーカーが増えているので、格安SIMで最新のスマートフォンを使用することもできるようになってきています。
携帯電話会社では、各社iPhoneやAndroidなどさまざまなスマートフォンを販売しています。
値段と機能性のコストパフォーマンスが高く、人気が高い一部ラインアップをご紹介します。
moto g8


低価格かつシンプル、丈夫で故障が少ないことが特徴。4,000mAhの大容量バッテリーと、操作がサクサクの高性能CPU(処理速度)が魅力の端末です。カメラも最大1,600万画素のトリプルカメラを搭載しているので、コスパも機能も重視される方にオススメ。
OPPO A5 2020


最大の特徴は、超広角レンズ搭載の高性能クアッドカメラ(4眼カメラ)。風景画を思いのままに撮ることができます。
バッテリーもスタミナ抜群で、1日中もつ5,000mAhの大容量。外出して写真をよく撮るという方にはもってこいの端末です。
arrows M05


スマホ初心者の方にオススメなのがこの端末。読みやすい文字、かんたん操作、さらに防水・防塵・耐衝撃性能もバッチリなので、スマホを初めて手に取る方には試してほしい1台です。
HUAWEI nova 5T


最大約4,800万画素の高性能5眼カメラを搭載しています。日中も夜間も鮮やかな仕上がりで、シーンごとに撮影を楽しめます。たったの30分で最大50%の充電が可能な、超高速充電も魅力。ハイスペック端末を納得価格で手に入れたい方にオススメです。
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※当ページの内容は2021年7月時点の情報です。